日本病院薬剤師会東北ブロック 第13回学術大会
大会長 田村 健悦
青森県病院薬剤師会会長
八戸市立市民病院薬局長
日本病院薬剤師会東北ブロック第1回学術大会は2011年11月、東日本大震災発生わずか8ヶ月後でしたが、青森県病院薬剤師会がその先陣を切りました。途中、コロナ禍といった災害級のパンデミックを乗り越えながら諸先輩方が脈々と繋いできたバトンは2回りいたしました。そのバトンを受け取り、3巡目の新たなスタートとなる第13回大会は、青森県八戸市で開催いたします。
「平成の病院薬剤師」は、入院患者に対する薬学的管理・指導や薬物血中濃度に基づく処方設計、医療安全に係る対応等の業務を行う中で、チーム医療の一員として医師等と連携しながら患者に接し、医療への貢献度が他の職種から見てもわかりやすく、その役割等が見える存在になってきました。そしていま、「令和の薬剤師」にとりまして、チーム医療のさらなる推進、医療安全対策の推進、タスクシフト/シェア、外来はじめ手術室など特殊部門への業務拡大、治験・臨床研究など、私たちの役割はさらに重要になっていくでしょう。
質の高い臨床業務を展開するには薬剤師の確保が必要です。病院薬剤師の地域偏在、業態偏在対策は東北病院薬剤師会にとって共通の課題であります。早急な対応が求められますが、人口減少が確実に迫っているなか、すぐには解決できない問題でもあります。ただ、患者さんを前に手をこまねいているわけにはいきません。薬局薬剤師との連携、機能の異なる病院間の連携を通して地域の薬剤師が一丸となり、地域医療提供体制のなかであるべき薬剤師像を自分たちで築きあげ、地域医療を支えていく姿勢が重要であると考え、本大会のメインテーマを「地域医療にあるべき薬剤師像を目指して」と致しました。
臨床研究の成果や新たな取り組み、様々な課題や問題点に対応した経験を、この学術大会で共有していただき、ご参加頂くすべての皆様方にとって、実りある場となりますことを心より願っております。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。